前回は創成橋の石組についてご紹介いたしましたが、今回はその続編で「三和土」についてご紹介いたします。
皆さんは「三和土」ってご存知ですか?
現在はほとんど聞きなれない言葉ですよね。
昔は「土間」(これも聞きなれませんが・・・。)等に利用されていたようです。
「三和土」とは別名「たたき」とも呼ばれ、赤土・真砂・消石灰を混ぜ合わせ敷きならしたものを言います。
実は、創成橋のアーチ上部に「三和土」が施工されていました。
それでは「三和土」の手順についてご説明いたします。
まず、「三和土」の材料となる「赤土」と「真砂」をムラがなくなるまでよく混ぜます。
良く混ざったら「消石灰」と「水」を入れてさらによく混ぜます。
ムラがなくなったら「三和土」の材料の完成です。
実際にアーチ上面に三和土を施工します。
良く練り混ぜた材料を敷きならし叩きます。
とにかく叩きます・・・。
叩きつづけること小一時間・・・。やっと表面につやが出て完成です。
「三和土」が別名「たたき」と呼ばれる由縁を思い知らされました。なるほど叩き続けるからですね。
先人は、創成橋の上面を「三和土」で覆うことで防水し、石材の風化や劣化を抑えることで、約100年もの間供用させてきたんですね。
創成橋解体時は、空気に触れる表面の石材の風化は激しく劣化していましたが、三和土で覆われている部分の風化は非常に少なく昔の形状を残しておりました。
先人の知恵とは侮れません。
間もなく「三和土」は見えなくなってしまいますが、皆さんが橋を渡るときは思い出してあげてくださいね