創成橋とは札幌市の中心にあって、創成川を渡る為に明治43年に架けられた石橋です。
2007年に創成川通りのアンダーパス工事に伴い、一時的に解体・撤去したものを
当時の場所に復元しています。
今回はその模様をご紹介したいと思います。
まず、橋の土台となる「橋台石」と「起供石」を設置します。
下に「布積」で設置されている「間知石」が「橋台石」で、その上に乗っている
台形の石が「起供石」です。この石が石橋を支える重要な部位になります。
これらに使用された石材は、明治時代に作成された石材のほとんどを再利用しました。
次にアーチ石を乗せるための台となる「支保工」を設置します。
「支保工」はアーチ形状の基となる為に精度を要求されるので慎重に設置していきます。
「支保工」が完成され、いよいよ石橋本体を組み上げていきます。
まず、「輪石」というアーチの基本となる部分を一つずつ設置していきます。
当時の工法と同じく10mmの目地(隙間)を開け、後にモルタルを流し込み固定します。
左右12列ずつ「輪石」を設置したのち、一回り大きな「要石」を設置します。
「要石」は「キーストン」とも呼ばれ、アーチ橋を支える重要な部材です。
「要石」を設置し、目地にモルタルを流し込むとアーチの完成です。
次に、側面の「壁石」を設置していきます。
「壁石」には当時のアーチ石(登別中硬石)を再加工し設置していきます。
「壁石」を設置した後、当時の工法そのままにアーチ両端に押えコンクリートを打設します。
今回の復元では、当時の石材加工技術を参考にしつつ、現在の最もポピュラーな道具の「石材加工機械」を用いましたが石材制作には何カ月もの時間がかかりました。
しかし、明治時代では機械が無く、全ての石材を一つ一つ手加工で制作し、さらに石切山より運搬してきています。これには恐らく膨大な時間と労力を用いて構築されたことでしょう。
当時の「石工」さんたちも命懸けで、大変苦労されたことと思います。昔の人ってすごいなと感動いたしました。だって石ってすごく重いんですよ!
2010年には歩道橋として皆さんに供用できると思いますので、渡るときは明治時代にタイムスリップしたような気持ちで渡っていただけると幸いです。