写真は札幌硬石の原石です。
通常採掘されるサイズの原石は1m角程度で、写真のものも同程度です。
その原石を利用して、石垣用の間知石や階段の石など様々な形状に
加工していきます。
簡単に石を小さく加工する手順を説明していきます。
上の写真は「セリ矢」と言って、大きな原石を2つに割ったり、ある程度の
寸法を確実に確保したいときに使用する道具です。
様々な種類の「セリ矢」がありますが、私達が主に使用するのは20cm程度
の長さのものです。
これを原石の大きさに合わせ何本か使用し、割っていきます。
写真にいる職人が「玄能(ハンマー)」を用いてセリ矢の頭を叩くと、原石が
真っ二つに割れます。
この工程を何度か繰り返しある程度小さくなったら「小割り」をします。
石の上にある小さな金物を「マメ矢」といい、これを用いて「小割り」を
します。
「マメ矢」を使用するメリットは仕上がり面に大きな割り跡を残さず
きれいな面を作ります。
「マメ矢」は長さ5cm程で、角度や硬さを石材の種類に合わせて職人が
手作りします。角度や硬さが石材に合わないと割ることができない少し
厄介な道具です。
「マメ矢」を原石に設置し直径2cm程の頭を、10kgある「矢ジメ」という
ハンマーで正確に叩くことで、思い通りの形状に割ります。
この後、「石工玄能」で成形し間知石を作ったり、階段や縁石を作ります。
又、石材切削の機械を用いて建築材や正確な寸法を必要とする部材を制作
することもあります。
現在では、上のような工程で石材加工する職人さんも少なくなってきており
機械製作が主流です。
しかし、機械制作では表現できない手作り感や、石本来の良さを表現するた
めにはやはりこの工程が必要です。
皆さんも是非私共の加工場に見学に来ませんか?
きっと、今までの石のイメージを変えることができると思いますよ!